top of page
LCA・環境なら株式会社Green Guardian

コラム・お役立ち情報

RESASとは? できること・できないことと「次の一手」をやさしく解説

  • 3 日前
  • 読了時間: 7分


地域経済を調べようとすると、まず名前が挙がるのが RESAS(リーサス) です。無料で、しかも豊富なデータを地図やグラフで見られる——地域づくりに関わる人にとって、いまや定番の入口になりました。

けれど、実際に触ってみると「たくさんデータは見られた。でも、結局うちのまちは何をすればいいの?」と立ち止まる方も少なくありません。

この記事では、RESASとは何かをやさしく整理したうえで、できることできないこと(限界)、そして「その先の次の一手」までを、網羅的にお伝えします。

この記事でわかること

  • RESAS(地域経済分析システム)とは何か、誰が・いつから提供しているか

  • RESASでできること(主要マップと「地域経済循環マップ」の見方)

  • RESASの基本的な使い方(3ステップ)

  • RESASでできないこと(限界・デメリット)

  • RESASと「自分のまちの産業連関表」の違い(比較表)

  • RESASを根拠ある政策(EBPM)につなげる方法



目に見えない地域経済を分析するということ
目に見えない地域経済を分析するということ


RESASとは? ― 国が提供する無料の地域経済分析システム

RESAS(Regional Economy and Society Analyzing System/地域経済分析システム)は、国(内閣官房・経済産業省が中心)が提供する、地域の経済や人口などのビッグデータを、地図やグラフで誰でも見られる無料のシステムです。2015年に、地方創生の取り組みを後押しする目的で公開されました。

それまで、地域経済のデータは各種統計に散らばっていて、専門家でなければ扱うのが難しいものでした。RESASは、それらをひとつの画面で・視覚的に見られるようにし、自治体職員・議員・事業者・研究者・学生まで、幅広い人が地域を語るための「共通の土台」を作りました。

※ 提供体制やメニューは国の方針で更新されることがあります。最新情報はRESAS公式サイトをご確認ください。



RESASでできること ― 地域の「全体像」をつかむ

RESASが得意なのは、全国共通のデータで地域の"全体像"をつかむことです。主に次のような分野(マップ)が用意されています。

  • 人口マップ:人口の推移・将来推計・転入転出など

  • 産業構造マップ:どの産業が盛んか、強い産業(特化係数)はどれか

  • 企業活動マップ:企業の分布や取引の動き

  • 消費マップ:消費の傾向

  • 観光マップ:人流や宿泊などの観光の動き

  • 地域経済循環マップ:後述

これらにより、「自分のまちはどんな構造で、何が強くて、人口はどう動くのか」といった傾向を素早くつかむことができます。さらに、他の自治体と横並びで比較できるのも大きな利点です。

注目:「地域経済循環マップ」で循環率を見る

RESASの中でも、地域経済の議論でよく使われるのが地域経済循環マップです。ここでは、地域のお金が「生産(稼ぐ)→分配(所得)→支出(使う)」とどう巡っているかや、地域経済循環率を見られます。

地域経済循環率は、ざっくり言えば「地域の中でお金がどれだけ循環しているか」を示す指標で、地域の自立度を測る目安になります。「うちのまちは、お金が外に頼りがちなのか」を考える出発点として、とても有用です。



RESASの使い方(3ステップ)

初めてでも、次の手順で十分に活用できます。

  1. RESAS公式サイトにアクセスする(基本機能は登録なしで利用可能)

  2. 自分の都道府県・市区町村を選ぶ

  3. 見たいマップ(人口・産業構造・地域経済循環など)を開く

まずは「人口マップ」で将来推計を、「地域経済循環マップ」で循環率を眺めてみると、自分のまちの立ち位置が見えてきます。



RESASの活用が向いている場面

  • 総合計画や地方創生の計画づくりで、現状の傾向を把握したいとき

  • 議会や住民への説明で、分かりやすいグラフや地図がほしいとき

  • 他の自治体と比較して立ち位置を知りたいとき

  • 庁内や学校で、地域経済を学ぶ最初の教材として



RESASでできないこと(限界・デメリット) ― ここが最重要

便利なRESASですが、構造上の限界もあります。これは欠点というより、役割の違いとして理解するのが大切です。

  • 全国共通の"推計値"が中心:全国一律のルールで作られているため、自分のまち固有の実態(個々の事業者の取引・調達先)までは映しにくい

  • 「お金の漏れ」の"中身"までは分からない:地域経済循環マップで循環率という結果は見えても、「どの産業の・どの取引で・どれだけ域外へ漏れているのか」という原因までは特定しづらい

  • 自由なカスタム分析がしにくい:「この産業の、この取引を詳しく」「この施策の波及効果は?」といった掘り下げには向かない

ここが肝心です。原因が分からなければ、打ち手は決められません。 循環率が低いと分かっても、「で、どこを直せばいいのか」が見えないと、政策には落ちないのです。



【比較】RESAS と「自分のまちの産業連関表」

その"原因"まで踏み込めるのが、事業者調査に基づく地域単位の産業連関表です。両者は競合ではなく、役割が違うと捉えてください。

観点

RESAS

自分のまちの産業連関表(実態調査)

データの作り方

全国共通ルールの推計

経済センサス+事業者アンケートで実態に近い

主に見えるもの

全体像・循環率(=結果)

個別の取引・お金の漏れ(=原因)

漏れの特定

苦手

得意(漏れ穴分析)

カスタム分析

限定的

自由(波及効果・将来シナリオ等)

コスト

無料

調査が必要(投資)

役割

入口・概観

深掘り・政策の根拠

注意:産業連関表にも「案分推計」(県・国の数字を割り振っただけのもの)があり、それだとRESASと同じ限界を抱えます。施策の根拠にするなら、事業者調査に基づく実態に近い表が重要です。


RESASを「根拠ある政策(EBPM)」につなげる

RESASで全体像をつかみ、産業連関表で足元の実態(漏れの原因)を測る——この二段構えが、根拠に基づく地域づくり(EBPM)の王道です。

  • ステップ1:RESASで現状の傾向・循環率を把握する(無料・すぐできる)

  • ステップ2:事業者調査に基づく産業連関表で、漏れの大きい品目・取引を特定する

  • ステップ3:漏れの大きいところから打ち手を決め、効果を振り返る

(※ EBPM=根拠に基づく政策立案については別記事で解説しています → [記事①EBPMへ内部リンク]/観光分野は → [記事②観光×EBPMへ内部リンク])



よくある質問(FAQ)

Q. RESASとは何の略ですか?A. Regional Economy and Society Analyzing System の略で、日本語では「地域経済分析システム」です。

Q. RESASは誰が提供していますか? 無料ですか?A. 国(内閣官房・経済産業省が中心)が提供しており、基本機能は無料で利用できます。

Q. RESASで何がわかりますか?A. 人口・産業構造・企業活動・消費・観光・地域経済循環などを、地図やグラフで概観できます。地域の"全体像"の把握に向いています。

Q. RESASのデメリット(できないこと)は?A. 全国共通の推計が中心のため、自分のまち固有の取引や「お金の漏れ」の中身までは特定しづらく、自由なカスタム分析にも向きません。

Q. RESASとV-RESASの違いは?A. RESASは地域経済の構造を見るシステム、V-RESASは経済の足元の変化(消費・人流などの動向)をより速報的に見るためのものとして整理されています。



まとめ

  • RESASは地域の"全体像"を無料で見られる優れた入口

  • 「地域経済循環マップ」で循環率(結果)も見られる

  • ただし**「お金の漏れの原因」までは見えにくい**のが限界

  • 次の一手は、事業者調査に基づく自分のまちの産業連関表(原因の特定)

  • 全体像(RESAS)+足元の実態(産業連関表)で、根拠ある政策へ



まず「体験」から ― あなたのまちの"漏れ"を見る

私たちが提供する IREAM(対話型地域経済分析モデル)の体験版では、地域に入ったお金が「どれだけ残り・どれだけ漏れるか(漏れバケツ)」を、ブラウザでそのまま触って確かめられます。RESASの先にある世界を、まずは体感してみてください。



「RESASは見たけれど、次に何をすれば?」——そんなご相談も歓迎です。全国の自治体で産業連関表を作成してきた専門家が伴走します。




執筆者

株式会社Green Guardian — 代表は産業連関表の研究で博士号(環境情報学)を取得し、下川町・南小国町・気仙沼市・陸前高田市・宝達志水町・白馬村・美瑛町・宮古島市など全国で地域の産業連関表を作成。サステナビリティの第一人者・枝廣淳子氏(有限会社イーズ)と連携し、岩波新書『地元経済を創りなおす』などで紹介された手法を、実務で形にしています。

 
 
 

コメント


\最新の情報をいち早く受け取れます/

登録無料・不定期配信

​メールマガジンのご案内

株式会社GreenGuardianでは、ご登録いただいた方にメールマガジンの配信サービスを行っています。
LCA関連の基礎知識、サステナビリティに関わる日本や海外の動向、基準や規制を含めた、

さまざまな情報をメールマガジン形式でお届けします。是非ご登録ください。

登録無料・不定期配信

登録が完了いたしました

AdobeStock_241865141.jpeg

LCA・地域社会活性化・社会価値の見える化なら

プロフェッショナルな担当が御社のお悩みを解決します

お客様の課題解決をサポートします。
お気軽にご相談ください。

\最新の情報をいち早く受け取れます/

登録無料・不定期配信

bottom of page