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EBPMとは? 自治体に「今なぜ必要か」をわかりやすく解説

  • 3 日前
  • 読了時間: 4分

近年、自治体の現場で「EBPM(イービーピーエム)」という言葉を耳にする機会が増えました。一方で、「言葉は聞くけれど、結局うちの町で何をすればいいのか分からない」という声も多く聞かれます。

この記事では、EBPMとは何かを自治体の視点でやさしく整理し、なぜ今これほど重要なのか、そして実践でつまずきやすい壁とその超え方までをお伝えします。



EBPMとは?
EBPMとは?


EBPMとは? ―「勘と前例」から「根拠」へ

EBPMとは「Evidence-Based Policy Making(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)」の略で、日本語では「根拠に基づく政策立案」と訳されます。国(内閣府)も全国の自治体に推進している考え方です。

ひとことで言えば、「勘」「前例」「横並び」ではなく、データという"根拠"に基づいて政策を立て、実施し、効果を振り返るという進め方です。

  • これまで:「他の自治体もやっているから」「例年こうだから」

  • これから:「このデータから、この課題にこの施策が効くと考えられるから」

特別なことのようでいて、実は**「事実を確かめてから決める」というシンプルな姿勢**のことです。



なぜ今、自治体にEBPMが必要なのか

背景には、多くの自治体が直面する厳しい現実があります。

  • 人口減少:全国の多くの自治体で将来の存続が課題とされている

  • 財政の逼迫:使えるお金は限られ、無駄打ちが許されない

  • 交付金の不確実性:外部からのお金に依存し続けるリスク

つまり、限られた予算を「どこに」「なぜ」使うのかを、住民や議会に説明できることが、これまで以上に求められています。EBPMは、そのための「共通言語」になります。



EBPMでつまずく最大の壁 ―「地域経済の実態が見えない」

ところが、いざEBPMを始めようとすると、多くの自治体が同じ壁にぶつかります。それは「そもそも、自分のまちの経済の実態が見えない」という問題です。

人口や観光客数のデータはあっても、

  • お金がどこから入り、どこへ出ていっているのか

  • 地域にいくら残り、いくら外へ漏れているのか

— こうした「お金の流れ」は、一般的な統計やRESASのような全国共通ツールだけでは、なかなか自分のまちの実態として見えてきません。(※RESASでできること・できないことは別記事で解説します → [RESAS記事へ内部リンク])

根拠(エビデンス)にしたくても、肝心の地域経済の実態が霧の中。これがEBPMの最初の関門です。



地域経済のEBPMを支える「産業連関表」

この霧を晴らす道具が、**産業連関表(さんぎょうれんかんひょう)**です。産業連関表を地域単位で作ると、次のことが「数字」で見えるようになります。

  1. まち全体・産業別の生産額(経済の規模)

  2. 地域に入るお金と、地域から漏れているお金

  3. 地域経済の収支バランス

  4. 経済波及効果・税収効果(追加分析)

特に大切なのが2の「お金の漏れ」です。地域経済はよく、底に穴の空いたバケツにたとえられます。どんなに外からお金を注いでも(=観光や補助金で「ひっぱってくる」)、穴から漏れていては、まちは豊かになりません。入ったお金をどれだけ地域内に滞留・循環させるか——ここに政策の打ち手が眠っています。

補足:産業連関表は「作り方」で精度が大きく変わります。多くの既存表は、県や国の数字を労働者数などで割り振った「案分推計」で、自分のまちの実態とはズレがちです。施策の根拠にするなら、事業者調査に基づく実態に近い表が欠かせません。


実例:気仙沼市 ― 職員が「自分で」経済波及効果を算定する

EBPMは、専門家に任せきりにするものではありません。自治体職員自身が数字を扱えるようになることがゴールです。

宮城県気仙沼市では、産業連関表をもとに、ドラマ「おかえりモネ」がもたらす経済波及効果を、市の職員が自ら算定できるよう支援しました。これはまさに、根拠を自分たちの手で作るEBPMの実践です。

同市では産業連関表によって、地域外へ流れ出ていたお金(漏れ)を可視化し、エネルギー由来の漏れを塞ぐ取り組みや税収の改善といった、具体的な政策評価につなげています。



小さく始めるEBPM ―まず「体験」から

EBPMは、いきなり大きな調査から始める必要はありません。まず「自分のまちのお金は、どれだけ残り、どれだけ漏れているのか」を体感するところからで十分です。

私たちが提供する IREAM(対話型地域経済分析モデル)の体験版では、観光や消費で地域に入ったお金が「どれだけ残り・どれだけ漏れるか(漏れバケツ)」を、ブラウザでそのまま触って確かめられます。



「うちの町でEBPMを始めるなら、何から?」——そんなご相談も歓迎です。産業連関表の研究で博士号を持つ専門家が、御町の状況に合わせて伴走します。


 
 
 

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